こんにちは、さおりです!
『プリンセス・マーケティング』『ネットで「女性」に売る』の著者、谷本理恵子さんの新刊『ライティングは「宝探し」』を読んで、今までのマーケティングの常識が覆されました。
この本の一番のメッセージは
「宝(売れる文章)は買ってくれた人の言葉の中にある」。
これまでマーケティングに携わってきて、わかっていたつもりでわかっていなかったことに気づかされました。
お客様の声を知る、インタビューやアンケートなど、これまでもやってはいましたが、
浅かった…!
今この本に出会えてよかった、と心から思えました。
谷本理恵子さんと著書
出典:谷本理恵子さんInstagram
https://www.instagram.com/tanimotorieko/
谷本さんは中小メーカーの通販部門の運営責任者を4社6年以上経験後、合格率1%といわれる「ダイレクト出版認定セールスライター」となったことをきっかけに独立。セールスコピーライターとして、主に30代以上の女性をターゲットとする化粧品や健康食品の単品リピート通販の「無理なくリピート購入されるメール」や「チラシ」などCRMライティングなどで圧倒的な実績を出されている方です。
そんな彼女がライティングテクニックを惜しみなく公開してくれているのが本書『ライティングは「宝探し」』。売れる文章を書くコツが丁寧に解説されていて、かなり参考になります。女性向け商材を扱っている方、女性の心を動かしたい方、マーケティングに関わる方は必読の一冊です。
ライティングは「宝探し」
宝(=売れる文章の原石)は、買ってくれた人の言葉の中にある!
ECサイト上でモノやサービスを「売る」、あるいはヒトを「集める」ための文章の書き方を伝える本。著者が実務での経験や実績、主催する講座を通じて確立したセールスライティングの手法を解説するものです。
〈この本の特徴〉
○顧客インタビューの具体的な方法がわかる
○「売るための文章」を作るステップがわかる
○既存顧客や未来のお客様の解像度が上がる
〈こんな方にオススメ〉
○商品やサービスの企画開発・販売促進を担当する方
○ECサイトや自社サイトのマーケティングを担当する方
○セールスライティングの基本と本質を知りたい方
〈本書の章構成〉
■Quest1 「思い込み」を排除する
■Quest2 「宝探し」のスキルを身につけよう
■Quest3 宝の「原石」を探しに行こう
■Quest4 集めた「原石」を磨くには?
■Quest5 磨いた「宝石」の使いみち
ライティングは「宝探し」はこちら
谷本さんは他にも女性向けマーケティングの本を出版されていますのでご紹介しますね。
プリンセス・マーケティング
「これ、買いたい! 」
商品やサービスを、即決で購入してもらうための秘密がわかる!
「女性=プリンセス」という考えを軸に女性の購買心理の傾向を解き明かした本。
購入までの一連のプロセスを、主人公が新しい冒険に旅立つ「物語」と捉え、多くの女性に見られる買い物心理や行動を「プリンセス・ストーリー」と7つの原則になぞらえて解説しました。
〈こんな方にオススメ〉
・商品やサービスの企画開発・販売促進を担当する方
・ECサイトや自社サイトのマーケティングを担当する方
・女性向けの商品やサービスを扱うアフィリエーター
〈本書の章構成〉
■大原則1 女性と男性では、求めている「ストーリー」が違う
■大原則2 女性と男性では、登場人物の「設定」が違う
■大原則3 女性と男性では、主人公の「モチベーション」が違う
■大原則4 女性と男性では、意思決定の「中身」が違う
■大原則5 女性と男性では、何を「信じる」かが違う
■大原則6 女性と男性では、「関係性」の築き方が違う
■大原則7 女性と男性では、「未来」の見せ方が違う
プリンセス・マーケティングはこちら
小さな会社でも実践できる! 売上を伸ばすノウハウ
インターネット上で「女性向け」の商品・サービスを「売るため」の、
文章とデザインのノウハウを伝える書籍。
女性に商品やサービスを売りたいのであれば、
「女性に響く」文章の書き方、デザインの見せ方を取り入れる必要があります。
本書は、その書き方・見せ方の極意を余すことなく伝えるものです。
〈本書の章構成〉
プロローグ(はじめに) シンデレラに物を買わせるには?
第1章 女性が見たいもの、見たくないもの
第2章 シンデレラが憧れる世界をつくる
第3章 女性をトリコにする文章の秘密
第4章 魔法がとけると買ってもらえない
第5章 買い物はいつでも、どこでも楽しい
エピローグ(終わりに) 「本当の価値」を正しく伝える力
それではさっそく、本書『ライティングは「宝探し」』の内容について触れていきます。
思い込みを排除する
お客様を正確に理解するには、一般的に広く信じられている方法がかえって邪魔になることもある。
第一章から、一般的にマーケティングで常識と思われている7つのことの誤解について述べられていました。
特に印象に残ったのが、ペルソナ設定の誤解についての指摘です。
マーケティングではペルソナを設定することが重要と言われてきましたが、ユニコーンのような想像上の人物を作っているだけになっては意味がありません。
価値観が多様化し、ダイバーシティが重視される昨今なら尚更、年収や年齢、職業など外側の特徴よりも、内面の共通点に着目するべきと谷本さんは言います。
「何を当たり前と思っていて、どんなものは信用できないと思っているか」といった内面の共通点が存在することを重要視する必要があります。
実際に、業界トップマーケターと言われている方もペルソナについては同じことをおっしゃっていました。その方は、商品・サービスをプロモーションする際には実際にペルソナと近い方から話を聞く、もし身近に該当する方がいなければ知り合うそうです。
そこまでして、リアルな価値観や使う言葉、常識などを知ることで売れる文章が書けるようになります。
「生身のお客様」に向き合わないと、売れる文章は書けない。
「宝探し」の基本的なスキル
本書のには「宝探しのスキルを身につけよう」という章では、谷本さんがどうやって宝(売れる文章の材料)を見つけていくかが順を追って書かれています。
お客様が過去に経験した具体的な場面を特定しないと、「売るための文章」の原石を見つけることはできない。そう谷本さんは言います。
お客様が今どういう状態で、自分の商品・サービスを買うとどうなれるのか、というビフォーアフターを、情景を思い浮かべられるくらい具体的に描写すること。これが宝になります。
実際に、イメージを絵に描いてみることで、情景が思い浮かぶようなターゲットに刺さる表現を書く訓練になるそうです。
「場面」がわかれば、文章に困ることはない
宝の「原石」を探しに行こう
宝の「原石」はお客様の声にある。顧客インタビューの重要性と正しいやり方についての章です。
これまでも顧客インタビューの重要性については理解していたつもりでしたが、谷本さんの本を読んで、重要な視点が抜けていたことに気づきました。
それは、「なぜ買ったのか?」だけでなく「買う前の心理」にもフォーカスを当てることが重要だということ。
買う前の心理過程を掘り下げることで、顧客が商品を手にするまでの過程が分かるのです。
本書では、本心を引き出すインタビューの方法がステップ式でわかりやすく説明されていて、表面的なインタビューでは本心が得られないという私たちがつい陥りがちなパターンもしっかり解説されていました。
お客様に「なぜ買ったのか」を聞いても、実際の本当の答えは得られない。そのため、谷本さん式の「本心を引き出す」インタビュー方法が重要なのです。
「最終的にはこうすれば売れる」という確信につながる情報を集めるところが顧客インタビューのゴールだと、谷本さんは言います。
ぜひ本書を読んで実践してみてください!
既存のお客様の独自傾向がつかめれば、何をどう打ち出していけばよいのかがわかる
さらに印象的だったのが、
全ての単語の定義を疑う ということ。
誰もが使っているありきたりの言葉や説明ではお客様に商品やサービスの「本当の良さ」を伝えきることはできない、と本書には書かれています。
売れるための文章を書くためには、あなたの商品やサービスを買ってくれるお客様にあった「言葉」が必要なのです。
なぜかと言うと、その人が使っていない単語を採用すると自分には関係のない話だと離脱されかねないからです。
例えば、「起業家」「社長」「事業主」はどれも同じような意味ですが、その人の自己認識によっては居心地の悪さや違和感を生む原因になります。
ではどうすれば最適な言葉を手に入れることができるのでしょうか?
それはお客様に一般的な言葉の「定義」を聞いてみることです。
正解が知りたいのではなく、他の人はどういう表現をするのかを聞くことで全く違う視野が広がるのはよくあることです。
大切なのは言葉を拾う意識を持つこと。そう谷本さんは言います。
インタビューを通じて、
できるだけ「言葉」や「表現」の数を増やしておこう
集めた「宝の原石」を磨く
磨かれる前の宝石がただの石に見えるのと同様、インタビューで集めたお客様の声も磨き上げて初めて真価を発揮します。
せっかく集めたお客様の声も適切な下処理をしてうまく加工していかなければその本当の価値は分かりにくいもの。
「お客様の声」は客観的に何が売りになっているのかを見つけ出すための資料として最も重要な役割を果たす。そう本書では書かれています。
私たちが何かを購入するとき常に過去の経験をもとに相対的に何が良いのかを判断しています。
逆に言えば、自社に集まっているお客様が同じ特徴に引きつけられた理由は過去に同じ嫌な経験をしているからこそ。
「これまで試したあの方法でうまくいかなかった部分が解消されるなら今度こそ欲しい結果が得られるかもしれない」そういう期待を持ったから同じ商品やサービスを選んでいるのです。
そのため、複数のお客様の声の共通点を抽出できれば、商品やサービスを最も魅力的に見せるポイントを確実に見つけ出すことができます。最もアピールするべき長所や特徴は、「既存のお客様の声」の中に眠っているのです。
「お客様の声」は、何が「売り」になっているのかを客観的に見つけ出すための材料になる
磨いた宝石の使い道
いよいよ、ここまで集めて磨き上げた宝石を実際に売れる文章に仕上げていきます。
書き始める前に必ず必要なのは、ライティングのゴールを明確にすること。
もちろん究極のゴールは買ってもらうことですが、例えばSMS をフォローして欲しいのか、LINEやメルマガに登録して欲しいのか、資料請求して欲しいのか、お試し購入して欲しいのかなど、「この文章を読んだらこういう行動をしてほしい」と期待している内容は何を作ろうとしているかによって少しずつ違ってきます。
そして、「行動」が違えば、何をどう書けばいいのかも変わってきます。
ゴールとなる行動が漠然としている状態は、行き先を決めずに飛行機に乗るようなもの。だからこそ売るための文章を書くときには、この文章を読んだ結果具体的にどんな行動をとってほしいかを明確にしていくことが大切です。
売れる文章の全体像
いやいやいや多すぎるぐらいセールスコピーライティングは特定の行動を誘発するために書かれるものです。
「最終的にこういう行動をしてほしい」というゴールが先に決まっていて、そのために「何を」「どういう順で」伝えるかをゴール側から逆算して考えていきます。
【スタート】
- どんな状態の誰に伝えるべきかが明確
- まずは「注目」を集めて読み続ける理由を作る(自分ごと+新しい)
- 「欲しい」気持ちを盛り上げる
- 行動を引き止める「ブレーキ」を解除する
- さらに「アクセル」を踏み込んで背中を押す
- 売れる、登録される、問い合わせが来るなど
(文章を読んだ後のお客様に期待している実際の行動)
【ゴール】
「ゴールの行動」が適切に設定できていれば、
今あるパーツで「売れる文章」は組み立てられる
最後に
売れる文章の書き方を聞かれたら、谷本さんは一貫して「お客様の声から作る」と言い続けています。
どんなに時代が変わり使えるツールが変遷したとしても、ビジネスの本質は対面での販売と全く同じ。買ってくれるのは人間です。
つまり、ただお客様の目線に立ち、お客様の気持ちに合わせて、お客様が見たい情報を、お客様が見たい順番で見せていくことが重要なのですが、この点こそが誰もがはまりがちな落とし穴でもある。
なぜなら自分の思考の癖から抜けられず、本当の意味でお客様の目線に立つことができないまま「お客様の立場から書いているつもり」になって満足しているからだと。
顧客インタビュー、ペルソナの設定、アンケートや市場調査、数々のテンプレートやキーワード集…。私もマーケティングやインスタ運用のお仕事をしていて日頃から色々なツールを活用していますが、本質は谷本さんがおっしゃったことだと、本書を読んで痛感しました。
インスタの投稿、ショート動画の台本はもちろん、セールスレターやプロモーション動画、LINE配信など、文章を書くときの本質的なことが1冊につまっている本書『ライティングは「宝探し」』。私のバイブルになりました。
マーケティングに携わる方はもちろん、インスタ運用にも明日からすぐに活かせることが満載でしたので、ぜひ一度読んでみることをおすすめします!
ライティングは「宝探し」はこちら